親が亡くなってから、なんだか体がだるい。眠れない。涙が勝手に出る。なのに「これくらいで弱音を吐くな」と自分を責めてしまう。私もそうでした。母を見送ったあと、しんどさを「気のせいだ」と何度も抑え込んでいたんです。
でも、親の死のストレスって、ちゃんと数値で測られているんです。心理学で使われる「社会的再適応評価尺度」という物差しがあって、そこで親の死はかなり高い点数がつきます。この記事では、母を見送った私が、その尺度の点数と順位をわかりやすく解説します。今のあなたのしんどさが、当然のものだと知ってほしくて書きました。
先に結論:親の死のストレス度は尺度で63点・上位の重さ

細かい話の前に、いちばん知りたいところを先にお伝えします。
けんじ「これくらいで…」って思わなくていいんです。点数が、あなたのしんどさを代弁してくれていますから。
親の死 ストレス度を尺度で見ると何点なのか


ここからは根拠の部分です。なぜ「63点」と言えるのか、その物差しの中身を見ていきましょう。
社会的再適応評価尺度とは?


これはホームズとレイという2人の研究者が1967年に作った尺度で、英語ではSocial Readjustment Rating Scaleと呼ばれます。人生で起こる出来事を43項目並べて、それぞれが心身にどれくらい負担をかけるかを点数化したものなんです。
いちばん負担が重い「配偶者の死」を100点として、他の出来事を相対的に評価していきます。点数が高いほど、生活を立て直すのにエネルギーがいる、という意味になります。
ちなみに、この尺度には「親の死」という単独の項目はありません。親の死は「近親者の死」という項目に含めて語られることが多いんです。そこは正直にお伝えしておきますね。
上位の出来事を点数の高い順に並べると


では実際に、点数が高いものから順に見てみます。親の死がどのあたりに位置するか、ひと目でわかると思います。表は横に広げず、3列でまとめました。
| 順位 | 出来事 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | 配偶者の死 | 100 |
| 2位 | 離婚 | 73 |
| 3位 | 夫婦の別居 | 65 |
| 4位 | 刑務所などへの収監 | 63 |
| 4位 | 近親者の死(親の死) | 63 |
| 6位 | 自分のケガや病気 | 53 |
| 7位 | 結婚 | 50 |
| 8位 | 解雇 | 47 |
こうして見ると、親の死=63点は全43項目の中で4〜5番目。結婚や自分の病気よりも上に来ています。人生でそうそう起きない、重い出来事のひとつなんです。
点数が重なると不調が出る理由


この尺度は、1年間に経験した出来事の点数を足し算して使います。合計が高いほど、その後しばらくの間に心身の不調が出やすいと一般に言われています。
目安として、合計300点以上だと、2年以内に体調を崩す確率が高まるとされることがあります。親の死だけで63点。そこに、お葬式の準備、相続、実家のこと、仕事の調整が重なれば、点数はあっという間に膨らみます。
だから、いま心も体も重いのは、あなたが弱いからじゃありません。負担が物理的に大きいから。そう考えると、少し肩の力が抜けませんか。
見送った私が、しんどさを抑え込んでいた話


少しだけ私の話をさせてください。私は母を3年ほど遠距離で介護しました。実家までは片道4時間以上。仕事と介護を行ったり来たりで、正直、自分の心の状態にかまっている余裕がなかったんです。
母を見送ったあとも、しばらくは気が張っていました。やることが山ほどあって。実家じまいの業者を呼んだら最初の見積もりが相場の倍近くで、頭に血がのぼったり。弟とは相続のことでぶつかって、結局1年ほど口をきかなくなりました。
そういう中で、夜眠れなかったり、急に涙が出たり。でも私はそれを「気のせい」「疲れてるだけ」とずっと抑え込んでいたんです。今思えば、あれは抑え込んじゃいけないサインだったのかもしれません。



あのとき誰かに「それ、当然だよ」と言ってほしかった。だからこの記事を書いています。
数字で追い詰めず、しんどさとどう付き合うか


点数の話をしておいてなんですが、数字に振り回されてほしくはないんです。大事なのは点数を下げることじゃなくて、いまの自分をいたわること。私なりに感じた、やってよかったことを少しだけ。
「ちゃんとしなきゃ」を一回手放す


葬儀のあとって、まわりに気を遣って気丈に振る舞いがちです。でも、ぼーっとする日があっていいし、家事が回らない日があってもいい。私は「今日はもう何もしない」と決めた日が、いちばん回復した気がします。
悲しみは消すものじゃなくて、付き合っていくもの。きれいに立ち直ろうとしなくて大丈夫です。波があって当たり前なんですよね。
しんどさを言葉にして、誰かに渡す


私は抱え込んだ結果、弟ともこじれました。あとから思うのは、つらいときは「つらい」とちゃんと口に出したほうがよかったということ。家族でも、友人でも、聞いてくれる人ならいいんです。
言葉にするだけで、頭の中が少し整理されます。誰にも言えないなら、ノートに書き出すだけでも違いました。自分の気持ちを外に出す、それだけでも案外ラクになります。
長く続くなら、専門家に頼っていい


眠れない、食べられない、何も手につかない。そういう状態が何週間も続くなら、それはもう気合いでどうにかする話ではないと思います。心療内科やグリーフケアの相談窓口を頼るのは、弱さじゃありません。
私自身、もっと早く誰かに相談していればと今でも思います。無理を続けて体を壊してしまうのがいちばん避けたいこと。あなたには、私みたいに抱え込んでほしくないんです。
親の死のストレスについてよくある質問


- Q親の死のストレス度は尺度で何点ですか?
- A
社会的再適応評価尺度では「近親者の死」として63点です。全43項目中の4〜5番目で、配偶者の死(100点)、離婚(73点)に次ぐ重さとされています。
- Q「親の死」という項目が尺度にないのはなぜ?
- A
この尺度は項目を「近親者の死」とまとめているためです。親も近親者に含まれるので、親の死はこの63点の項目で語られることが多いです。単独項目がない点は誠実にお伝えしておきます。
- Q点数が高いと必ず体調を崩しますか?
- A
必ずではありません。あくまで「出やすい傾向がある」という統計上の目安です。合計300点以上で2年以内に不調が出やすいと言われますが、人によって差があります。怖がりすぎなくて大丈夫です。
- Q親が亡くなって涙が止まりません。おかしいですか?
- A
おかしくないです。これだけ点数の高い出来事なので、強い反応が出るのはむしろ自然なこと。私も急に涙が出る時期がありました。気持ちに波があって当然だと思ってください。
- Q逆に、あまり悲しくないのは冷たいから?
- A
そんなことはありません。実感が湧くのに時間がかかる人もいるし、やることに追われて感情が後回しになることもあります。反応の出方は人それぞれで、優劣はないです。
- Q介護のあとに親を亡くすと、もっとつらいですか?
- A
負担が重なりやすいのは確かです。介護自体が心身をすり減らしますし、見送ったあとに気が抜けてどっと疲れが出る人もいます。私もそうでした。長く付き添った分、揺り返しがあって当然です。
- Q相続や実家の片付けでさらに疲れます。これも影響しますか?
- A
します。尺度は出来事の点数を足し算で見るので、葬儀・相続・実家のことが重なると負担はどんどん増えます。私も相続で弟ともめて消耗しました。手続きは一度に全部やろうとしないのがコツです。
- Qしんどさはどれくらいで落ち着きますか?
- A
これは本当に人それぞれで、何か月という人もいれば年単位の人もいます。きれいに消えるというより、少しずつ波が穏やかになっていく感じです。焦って区切りをつけようとしなくていいと思います。
- Qどんな状態になったら専門家に相談すべき?
- A
眠れない・食べられない・何も手につかない状態が何週間も続くときが目安です。生活に支障が出ているなら、心療内科やグリーフケアの窓口を頼ってください。早めに相談するほどラクになりやすいです。
- Qこの点数を知って、何の役に立ちますか?
- A
「今のしんどさは当然だ」と自分に許可を出せることです。点数を下げるためのものではなく、無理をしている自分に気づくための物差しだと思ってください。それだけでも気持ちは軽くなります。
あわせて、親の死で性格が変わるのは普通なのかという話や、親に優しくできなかった後悔との向き合い方も読むと、気持ちが少し軽くなるかもしれません。
まとめ:親の死 ストレス度は高くて当然、無理しないで


最後にもう一度だけ。親の死は社会的再適応評価尺度で63点、全43項目中の4〜5番目という重さです。配偶者の死や離婚に次ぐレベル。だから今あなたがしんどいのは、当たり前のことなんです。
そこに葬儀や相続、実家のことが重なれば、負担はもっと膨らみます。私も母を見送ったあと、しんどさを「気のせい」と抑え込んで、弟とこじれて、ずいぶん遠回りをしました。だからこそ言いたいんです。
点数を下げようと頑張らなくていい。きれいに立ち直ろうとしなくていい。無理を続けて体を壊すのだけは避けてください。つらさが長く続くなら、ひとりで抱えず、誰かに、専門家に頼っていいんです。あなたのしんどさは、ちゃんと意味のあるしんどさですから。



ここまで読んでくれてありがとうございます。今日はもう、自分を休ませてあげてくださいね。




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