実家の押し入れを開けて、何も出さずに閉めて帰ってきた日があります。片道4時間かけて、やったのはそれだけです。
先に事実だけ書きます。アルバムは燃えるごみで、写真そのものは自治体によって区分が真逆になります。ここを一般論で決めると出し直しになります。
ただ、それを知っても手は動かないと思います。私も動きませんでした。その押し入れにあった写真とアルバムは、いちばん後回しになりました。
最終的に、私が手元に残したのはアルバム3冊です。実家から自宅へ送った段ボール9箱が1箱になるまで、1年半かかりました。
この記事では、2つの市の実際の区分と、残す量の決め方、データ化とお焚き上げにかかる実額まで書きます。
今日、写真を捨てる必要はありません。何冊残すかを決めるところまでで十分です。
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写真の区分は自治体で真逆になる

気持ちの話に入る前に、可否だけ片付けます。ここが分からないまま考えても、堂々巡りになるからです。
アルバムは燃えるごみ
大きな自治体の品目一覧を2つ引いてみます。アルバムについては、どちらも同じ側でした。
- 横浜市:アルバム=燃やすごみ
- 大阪市:アルバム=普通ごみ
横浜市には但し書きが付いていて、プラスチックだけでできたものはプラスチック資源へ回します。台紙が紙のものは燃やす側です。
出典は横浜市のごみ分別辞典と大阪市の品目別収集区分一覧表です。どちらも品目名で引けます。
写真は市で区分が違う
割れるのは、アルバムから外した写真そのものです。同じ品目名で、2つの市はこうなっています。
- 横浜市:写真(印画紙)=古紙
- 大阪市:写真=普通ごみ
横浜市は「写真(印画紙)」を古紙(雑誌・その他の紙)に入れています。大阪市は逆で、写真・写真用紙は「古紙・衣類」の対象ではありませんと一覧に明記されています。
片方では古紙に出せて、もう片方では古紙に出してはいけない。写真という同じ物で、扱いが正反対になります。
「写真は燃えるごみ」と書いてある記事を鵜呑みにしないでください。お住まいの市の品目一覧で、写真を1回引くだけで済みます。
一覧に「写真」が無い市もあります。その場合は電話で品目名を言えば1分です。分別を間違えると、袋が置いていかれます。
ネガと金具は別になる
親世代のアルバムには、フィルムのネガが挟まったままのことがあります。茶色い帯状のあれです。
ここも2つの市で違いました。横浜市は「写真(ネガ)」をプラスチック資源、大阪市は「フィルム(写真用)」を普通ごみとしています。
アルバムに挟まったままだと分けられません。先に抜いて、別にしておいてください。
背の金具やリングの扱いも市によって違います。外せる造りなら外し、ビスで留まっていて外せないなら、無理に壊さなくて構いません。
一度に大量には出せない
実家じまいだと、アルバムは十数冊から数十冊になります。ここで多くの人がつまずきます。
横浜市には一時多量ごみ(引っ越しや遺品整理など)という区分があります。名前に遺品整理と入っています。
そこにはっきり書いてあります。一度に多量に出るごみは、まとめて集積場所に出せません。自分で処理施設へ持ち込むか、許可業者に頼む形になります。
横浜市の場合、燃やすごみは市内4か所の焼却工場へ持ち込めます。区の事務所に事前申込が要り、最短で申込から6日後。費用は1キロあたり13円です。
片付け当日に集積場所へ全部出すつもりでいると、ここで止まります。作業日を決める前に、市の一時多量ごみのページを見ておいてください。
同じページには、無許可の回収業者に高額を請求された事例への注意も出ています。私も実家じまいの最初の見積もりが相場の倍でした。
とはいえ、この分別を悲しい気持ちのままやるのはきついです。片付ける日と、袋を分ける日は、分けてしまっていいと思います。
アルバムが3冊になるまで1年半かかった

ここからは私の話です。うまくいった話ではありません。遠回りした記録として読んでください。
月に一度しか行けない
実家は片道4時間の地方にあります。会社員なので、行けるのは月に一度でした。
本気で片付け始めたのは一周忌のあとです。それまでの1年以上、家は母が住んでいたときのままでした。
最初の数回は、押し入れを開けて閉めるだけで帰ってきました。何も減っていません。片道4時間かけて、何も。
9箱送って8箱を捨てた
3回目くらいで方針を変えました。迷った物は全部残す、と決めて自宅へ送ることにしたんです。
段ボール9箱。写真とアルバムもこの中に入っていました。捨てていないので、その日は罪悪感がありませんでした。
妻に「これ、どこに置くの」と聞かれて、答えられませんでした。箱は廊下に半年積まれたままになりました。
結局、9箱のうち8箱は、開けないまま処分しました。半年運んだだけです。
あとで分かったのは、保留という選択肢は無いということでした。残すか手放すかを、置き場所とセットで決めないと先送りになります。
最後に残ったのは1箱
9箱が1箱になるまで1年半かかりました。中身は写真アルバム3冊、母の手帳、鏡台の手鏡、エプロン1枚。あとは位牌と過去帳です。
減らせた理由は気持ちが整理できたからではありません。衣類の片付けで見つけた方法を、他の物にも当てはめただけです。
母の普段着が、量も多くて値もつかず、いちばん困りました。1枚ずつ迷っていたら永遠に終わりません。
そこで「種類ごとに残す数を先に決める」やり方に切り替えました。衣類はエプロン1枚だけ、と決めたんです。
物を見てから決めるのではなく、数を決めてから物を見る。順番が逆になるだけで、手が動くようになりました。
感情の側の話は遺品が捨てられない罪悪感について書いた記事にまとめてあります。手が止まる仕組みから知りたい人はそちらへ。
残す写真は冊数を先に決める

写真は、衣類よりもこの方法が効きます。1枚あたりの重さも場所も小さいのに、見始めると時間だけが消えるからです。
何冊残すかを先に書く
アルバムを開く前に、紙に数を書いてください。3冊でも5冊でも構いません。自分の家のどこに置くかまで決めます。
私が3冊になったのは、狙って3冊にしたからではなく、1年半かけて削れた結果です。先に決めていれば、あの1年半は要りませんでした。
数を決めたら、選ぶ基準も1つだけ決めます。私の場合は、母が写っているものと、家族が集まっているものでした。
基準を決めておくと、風景だけの写真で迷わなくなります。本人が写っていない1枚は、あとで思い出す手がかりになりにくいからです。
1枚ずつ見ると止まる
ここが写真のいちばん厄介なところです。1枚見るたびに、その日のことを思い出してしまいます。
アルバムは冊ごと、ばら写真は袋ごとに扱ってください。1枚単位で判断を始めると、その日の作業は終わります。
厄介なのは、缶や封筒に入ったままの未整理の分です。冊数と別に「この箱1つ分まで」と枠を決めてしまってください。
枠を決めずにばら写真へ入ると、アルバムより時間を取られます。数がアルバムの比ではないからです。
それでも見たい日は、見る日にしてしまうのがいいです。作業日と分けてしまえば、罪悪感も薄まります。
あと、遺影は別枠にしておいてください。四十九日や一周忌のあとで扱いを決める家が多く、他の写真と一緒に判断すると迷います。
兄弟には先に声をかける
これは私が失敗した側です。うちは弟と相続で揉めて1年絶縁しました。片付けの主導権も、ずっと私が握っていました。
写真は値段がつきません。それなのに、あとから「あの写真どこ行った」と言われる確率がいちばん高い物です。
処分する前に、要る人がいないかだけ聞いてください。返事が来なくても、聞いた事実が残ります。
やり方は簡単で、手放す前のアルバムを何枚か撮って送るだけです。全部を郵送する必要はありません。
捨てる前にデータ化する選択肢

冊数を決めると、必ず「はみ出した分」が出ます。ここでデータ化を考える人は多いと思います。料金から見ていきます。
貼ったまま出せる料金
アルバムから1枚ずつ剥がす必要はありません。台紙に貼ったまま預かる店があります。
カメラのキタムラのアルバムそのままディスク保存の料金は、公式サイトに次のように出ています。
- データ保存のみ 4,980円
- DVD仕上げ 6,980円
- ブルーレイ 7,980円
いずれも税込で、台紙60ページまでの1冊あたりです。61ページからは1ページ260円が加算され、最大120ページまでとなっています。
アルバムのサイズは閉じた状態で345mm×345mm以内。仕上がりは約4週間からで、注文も受け取りも店舗です。ネットで完結しません。
ここは実家の片付けと相性が悪い部分でもあります。家の引き渡し日が近いなら、4週間は間に合いません。先に日程を確認してください。
データ化しても見ない
正直に書きます。データにした写真を、その後まめに見返す人は少ないと思います。
それでもデータ化に意味があるとしたら、見返すためではなく、手放すことに理由をつけるためです。捨てるのではなく移した、という感覚になります。
そう考えると、全冊やる必要はありません。1冊分の費用で気持ちが動くなら、それだけ頼めば十分です。
逆に、10冊で5万円を超えると分かった時点で手が止まる人もいます。金額を先に見て、やらないと決めるのも判断です。
お金の問題ではなく、どうしても束から手が離れないということもあります。その場合は、写真を捨てないまま片付けを進める決め方のほうが先です。捨てる前提で読むと、かえって進まなくなります。
自分でごみに出せない写真の手放し方

ここまで決めても、最後まで袋に入れられない束が残ります。私の場合は、値がつかなかった物ほど残りました。
郵送のお焚き上げの額
写真だけを箱に詰めて送り、供養してもらう業者があります。金額の目安を1社分だけ出します。
涙そうそうの送付お焚き上げ供養の場合、公式の料金表は税込でこうなっています。
- 写真30枚 2,750円から
- アルバム1点 3,300円から
- 遺影1枚 2,750円から
- 詰め放題SS 9,900円
- 詰め放題M 13,200円
注意したいのは送料です。同社の案内には、送料は利用者の負担で、品物の大きさや配送会社によって変わると書かれています。
SSは3辺60cm以内、Mは120cm以内の箱です。ばら写真が数百枚あるなら、枚数で払うより詰め放題のほうが安く収まります。
神社が郵送で受けるサービスもあります。ただ、みんなのお焚き上げのサービス紹介ページには金額が出ておらず、購入ページで確認する形になっています。
業者の供養処分に回す
もう1つの道が、遺品整理業者の供養処分です。提携寺院での合同供養やお焚き上げを扱う会社が多くあります。
私はこれを使いました。回したのは、査定で値がつかなかった掛け軸2本と日本画の色紙数点です。
写真とアルバムを同じ枠で受けるかは会社ごとに違います。見積もりのときに品目を挙げて、供養に出せるかを聞いてください。
値がついた物のほうが、あっさり手放せました。ゼロ査定だった物が最後まで実家に残ったんです。写真も同じ側にあります。
頼み方にも一つコツがあります。私は作業に立ち会って、仕分けだけ一緒にやってもらいました。残す物をこちらが指して抜く形です。
業者に丸投げするか自分でやるかで迷っているなら、自分でやるか業者に頼むかの判断基準を先に読んだほうが早いです。
供養は別料金になる
金額の話をします。ここを知らないと、当日に見積もりが動きます。
供養は基本の作業費に含まれず、別料金になることが多いです。点数で決める会社と、一式でまとめる会社があります。
供養の有無は見積書の項目に出ないことがあります。最初の電話で「供養が必要な物があります」と伝えてください。
私はみんなの遺品整理で3社の相見積もりを取ったときに、この差でだいぶ金額が動きました。最初の1社の言い値で決めなくてよかったです。
相場だけ先に知りたいなら、私が見積もりを取った1社である遺品整理110番で相談してみるのも手です。相談窓口が加盟店へ見積もり依頼を取り次ぐ形で、窓口の利用料は無料だと利用規約に明記されています。
ここは正直に書きます。私はこの会社には依頼しませんでした。紹介される加盟店で対応に差が出るところがあって、私のケースでは地元業者のほうが合っていたからです。
それでも、1社分の金額を持っていれば、他社が高いか安いか分かります。まずは1社で構いません。
業者選びから比べたい人は遺品整理業者のランキング記事に、私が実際に見積もりを取った会社を並べてあります。
親の写真とアルバムの処分でよくある質問

写真を捨てるとバチが当たる?
写真の処分を禁じる決まりは、宗教の側にも法律の側にもありません。それでも抵抗が消えないなら、無理に袋へ入れなくていいです。
お焚き上げや業者の供養処分に回す道があります。私は値のつかなかった掛け軸と色紙をそちらへ回しました。手が動く方法を選べば十分です。
アルバムは何冊まで残す?
普通の冊数はありません。決め方だけ言うと、自分の家の置き場所に収まる数にしてください。
私は結果として3冊になりましたが、それは1年半かけて削れた数字です。先に冊数を決めておけば、その1年半は要りませんでした。
写真は資源の紙として出せますか?
市によって答えが逆になります。横浜市のごみ分別辞典は「写真(印画紙)」を古紙(雑誌・その他の紙)に入れています。
逆に大阪市の一覧は、写真・写真用紙は「古紙・衣類」の対象ではないと明記しています。ここは一般論で決めず、お住まいの市の一覧で写真を引いてください。
ネガフィルムも捨てていい?
自治体によって区分が変わります。横浜市は「写真(ネガ)」をプラスチック資源、大阪市は「フィルム(写真用)」を普通ごみとしています。
アルバムに挟まったままだと分けられないので、先に抜いてください。背の金具は、外せる造りなら外し、外せないなら無理に壊さなくて構いません。
親の写真を他人に見られたくない
その気持ちのままで構いません。中身が見えない袋に入れて燃えるごみに出す、封をした箱ごとお焚き上げに送る、業者の供養処分に回す。
この3つなら、写真を1枚ずつ他人の目にさらさずに済みます。裁断は細片が散らかるので、あまり向きません。
遺影はいつ処分すればいいですか?
時期の決まりはありません。四十九日や一周忌を区切りにする家が多いです。ただ、他の写真と同じ日に判断しないほうがいいと思います。
遺影は額縁とセットで大きく、供養の料金も別立てのことが多いからです。涙そうそうの料金表では遺影1枚2,750円からと出ています。
兄弟に相談せず処分していい?
写真は財産ではないので、法律の問題にはなりにくいです。ただ、あとで揉める確率がいちばん高いのも写真です。
手放す前に何枚か撮って送り、要るかどうかだけ聞いてください。返事が来なくても、聞いた事実が残ります。うちは弟と1年絶縁したので、この一手間は勧めます。
量が多すぎて期限に間に合いません。
家の引き渡し日が決まっているなら、選別を業者の作業日に合わせてしまうのが早いです。私は立ち会って、残す物をこちらが指して抜く形で仕分けを頼みました。
データ化は約4週間かかります。期限が近いときは切り捨てる判断も要ります。
まとめ:残す数を紙に書けば動き出す

写真とアルバムは、遺品の中でいちばん値段がつかず、いちばん手が止まる物です。順番が最後になるのは自然なことだと思います。
それでいて、分別の区分は市ごとに割れていて、量が多ければ集積場所にも出せません。感情と手続きの両方が引っかかる品目です。
この記事の要点です。
- アルバムは燃えるごみ
- 写真の区分は市で真逆
- ネガも市によって割れる
- 大量なら集積場所に出せない
- 先に決めるのは冊数と置き場所
- 1枚ずつ見ると作業が止まる
- 捨てる前に兄弟へ一声かける
- データ化は約4週間かかる
- 供養は作業費と別料金になる
私は母のアルバムを3冊残しました。それで足りているかというと、正直よく分かりません。
母の茶碗を1つくらい残しておけばよかったかな、と今でも思うことがあります。この手の後悔は、たぶん消えません。
それでも、残す数を決めた日から実家の片付けは進みました。順番が逆だっただけなんです。
今日は、アルバムを何冊残すかを紙に書いてください。開くのは、その次の日で構いません。


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