法要の香典は、親族なら1万〜3万円、友人・知人なら3千〜1万円が目安です。会食に出るならその分を上乗せし、表書きは四十九日以降なら「御仏前」と書きます。
葬儀のときと違って、法要は日程が前から分かっています。薄墨でなくてもいい、など葬儀とは少しずつ作法が変わるので、そこも含めて整理します。
私は母の四十九日と一周忌を、施主として営みました。菩提寺がないのでお坊さんの手配から自分でやった側です。受け取る側から見えたことも書いておきます。
けんじ法事の案内が届いて「いくら包めば」と止まっている方へ。金額から順に、書き方・渡し方まで一気に見られるようにしました。
法要の香典の金額相場


関係別の目安


| 故人との関係 | 香典の目安 |
|---|---|
| 兄弟姉妹 | 1万〜5万円 |
| 祖父母 | 1万〜3万円 |
| おじ・おば | 1万〜3万円 |
| いとこ・その他の親戚 | 5千〜3万円 |
| 友人・知人 | 3千〜1万円 |
| 近所・職場 | 3千〜1万円 |
※2026年9月時点で、葬儀社各社が公開している四十九日・一周忌の相場をもとにした目安です。地域や年齢、付き合いの深さで上下します。
自分が40代以上なら幅の上のほう、20〜30代なら下のほうが目安です。
いちばん確実なのは、同じ立場で出席する親戚に「いくらにする?」と一言聞いてそろえることです。
会食に出るなら上乗せ


法要のあとに会食(お斎)があるなら、その食事代のぶんを香典に足すのが一般的です。施主は参列者の人数分の料理と引き出物を用意して待っています。
逆に会食に出ない、または会食がない法要なら、表の下のほうの金額で失礼にはなりません。
回忌で変わる金額


| 法要 | 時期 | 香典 |
|---|---|---|
| 四十九日 | 亡くなって49日目 | 厚め |
| 一周忌 | 満1年 | 厚め |
| 三回忌 | 満2年 | 少し控えめ |
| 七回忌以降 | 満6年〜 | 控えめ |
四十九日と一周忌は親族が多く集まる大きな法要なので、香典もいちばん厚くなりがちです。三回忌からは家族中心の小さな集まりになることが多く、金額も落ち着いていきます。
夫婦で出るとき


夫婦で出席するなら、香典は世帯で1つにまとめ、表の金額より少し多めにするのが一般的です。表書きの名前は夫の氏名だけか、夫婦の連名にします。
金額は、4(死)と9(苦)を連想させる数は避けるのが無難です。1万円、3万円、5千円のように、奇数の数字で始まる額にしておけば迷いません。
法要の香典袋の書き方


表書きは御仏前


| 宗教・時期 | 表書き |
|---|---|
| 仏式・四十九日以降 | 御仏前(御佛前) |
| 仏式・浄土真宗 | 最初から御仏前 |
| 神式 | 御玉串料・御榊料 |
| キリスト教 | 御花料 |
仏式では、亡くなってから四十九日までは「御霊前」、忌明けの四十九日法要からは「御仏前」を使うのが一般的です。四十九日法要そのものは「御仏前」で書く人が多いです。
浄土真宗は、亡くなるとすぐ仏になるという考え方なので、葬儀のときから「御仏前」です。宗派が分からなければ、案内状を送ってきた施主にさりげなく聞いてかまいません。
法要は薄墨でなくてよい


葬儀の香典を薄墨で書くのは、「突然のことで墨を濃くする間もなかった」という気持ちを表すためとされています。法要は日程が前から分かっているので、普通の濃い墨で書くのが一般的です。
ただ、四十九日までは薄墨にする地域や家もあります。どちらでも失礼と言われることは少ないので、手元の筆ペンで丁寧に書けば十分です。ボールペンは避けてください。
水引と中袋


- 水引は結び切り
- 色は黒白か双銀
- 関西では黄白の地域も
- 1万円未満は印刷の水引で可
中袋の表に金額、裏に住所と氏名を書きます。金額は「金壱万圓」「金参万圓」のように、書き換えられにくい旧字体の漢数字にするのが正式です。
施主は法要のあと、中袋の住所を見てお礼状や香典返しを送ります。住所を書き忘れると施主がお礼を送れなくなるので、ここだけは省かないでください。
お札の入れ方


お札は向きをそろえ、袋の表に対して肖像画が裏側になるように入れます。上下は地域で言い方が分かれるので、あまり気にしなくて大丈夫です。
新札は「準備していたようだ」と受け取られることがあるので、避けるのが無難です。新札しかなければ、一度縦に折り目をつけてから入れます。
香典の渡し方と欠席するとき


渡すタイミング


会場に着いたら、法要が始まる前に渡します。受付があれば受付で、なければ施主にあいさつするときに直接渡します。
香典袋は袱紗(ふくさ)に包んで持っていき、渡す直前に取り出して、相手から文字が読める向きにして差し出します。袱紗がなければ、地味な色のハンカチで代わりになります。
言葉は「本日はお招きいただきありがとうございます。御仏前にお供えください」くらいで十分です。長いあいさつはいりません。
欠席なら現金書留


出席できないときは、法要の前日までに届くよう香典を郵送します。現金は普通郵便では送れず、必ず現金書留です。
| 現金封筒 | 郵便局の窓口で1枚21円 |
| のし袋が入るサイズ | 大きい現金封筒がある(21円) |
| 料金 | 通常の郵便料金+480円 |
| 1万円を超えるとき | 5,000円ごとに11円加算 |
※2026年10月時点・日本郵便の公式サイトの表記です。
香典袋ごと現金封筒に入れ、欠席のおわびを短く書いた手紙を1枚添えます。案内状の返信はがきにも、おわびの一文を書き添えておくと丁寧です。
香典を辞退されたら


案内状に「御香典はご辞退申し上げます」とあれば、持っていかないのが礼儀です。無理に渡すと、施主に香典返しの手間をかけさせてしまいます。
どうしても気持ちを示したいなら、お供えの品を辞退されていないか確かめてから、菓子や果物を持っていく形にします。
施主を務めた私が法要で見たこと


ここからは、香典を受け取る側の話です。案内状を出す立場になった方にも、参列する方にも役に立つと思います。
お布施は実額で決めた


実家に菩提寺がなかったので、母の四十九日と一周忌の読経は、よりそうお坊さん便で手配しました。お布施は四十九日が35,000円、一周忌が50,000円でした。
当日は僧侶から事前に電話があり、袈裟姿で来て読経してくれました。お布施は袋に入れて現金で手渡しし、お車代や御膳料を別に包む必要はありませんでした。
菩提寺がある家は、お布施の額を寺に確かめるのがいちばん確実です。目安はお布施と戒名の相場をまとめた記事、手配の中身はお坊さん便を頼んだときの話に書いています。
香典返しと引き出物


施主側は、法要の当日に引き出物を渡すのが一般的です。品物は2,000〜5,000円ほどの、お茶や菓子など後に残らない物がよく選ばれます。
葬儀でいただいた香典へのお返し(香典返し)は、忌明けの四十九日のあとに、いただいた額の半分から3分の1ほどを目安に送ります。法要そのものを省く家でも、この時期は変わりません。
四十九日を家族だけにする、あるいはしないと決めたときに宙に浮くものは、四十九日をやらない・家族だけにするときの実務で整理しました。
一区切りは夕方に来た


四十九日の法要が終わった夕方、実家の居間で「ひとつ終わった」と思いました。その夜、帰りの列車で手帳を開いて、泣きました。
施主をやってみて思うのは、香典の額を一件ずつ比べる余裕なんて、施主にはほとんどないということです。
来てくれたこと、手を合わせてくれたこと。そっちのほうがずっと残ります。



金額で悩みすぎなくて大丈夫です。目安の範囲に収めて住所を書き忘れなければ、施主は十分助かります。
四十九日の前後の準備


四十九日に納骨を合わせる家は多いですが、入るお墓が決まっていないと先延ばしになります。候補を見ておくなら納骨堂の費用と選び方から見ると日程を組みやすいです。
一周忌の前には、初めてのお盆(初盆)も来ます。母の初盆は僧侶を呼ばず家族だけで営みましたが、親戚への連絡を後回しにして、当日の昼に叔母から「提灯はどうするの」と電話が来て慌てました。
地域によっては親戚が提灯代を出す慣習があるそうです。段取りは初盆の準備リストにまとめました。
法要の香典マナーに関するよくある質問


- Q四十九日の香典はいくら包めばいいですか?
- A
親族なら1万〜3万円、友人・知人なら3千〜1万円が目安です。会食に出る場合は、その分を上乗せして包むのが一般的です。
- Q一周忌と三回忌で香典の額は変わりますか?
- A
四十九日と一周忌がいちばん厚く、三回忌以降は少し控えめになるのが一般的です。迷ったら同じ立場で出席する親戚とそろえてください。
- Q表書きは「御霊前」と「御仏前」どちらですか?
- A
仏式の四十九日法要以降は「御仏前」が一般的です。浄土真宗は葬儀のときから「御仏前」を使います。
- Q法要の香典も薄墨で書くのですか?
- A
法要は日程が前から分かっているので、普通の濃い墨で書くのが一般的です。四十九日までは薄墨にする地域もあるので、どちらでも丁寧に書けば問題ありません。
- Q法要に新札を入れてもいいですか?
- A
避けるのが無難です。新札しかなければ、一度折り目をつけてから入れれば問題ありません。汚れの目立つお札も避けてください。
- Q欠席するとき香典はどう送ればいいですか?
- A
香典袋ごと現金封筒に入れ、郵便局の窓口から現金書留で送ります。法要の前日までに届くようにし、おわびの手紙を1枚添えると丁寧です。
- Q香典とは別にお供え物も必要ですか?
- A
必須ではありません。香典だけで十分ですが、親しい間柄なら菓子や果物を添える人もいます。香典を辞退されたときは、お供え物で気持ちを示す形もあります。
- Q喪中はがきはいつ出せばいいですか?
- A
相手が年賀状を用意する前の11月から12月初めが目安です。年末に不幸があった場合は、松の内が明けてから寒中見舞いであいさつしても失礼にはなりません。
- Q葬儀の香典と法要の香典は何が違いますか?
- A
表書きが「御霊前」から「御仏前」に変わり、薄墨でなくてもよくなるのが主な違いです。葬儀全体の進め方は葬儀の流れにまとめています。
まとめ:法要の香典は目安の範囲で丁寧に


法要の香典は、親族1万〜3万円、友人・知人3千〜1万円が目安です。会食に出るなら上乗せし、四十九日以降は「御仏前」、墨は普通の濃さで構いません。
出席できないときは、前日までに届くよう現金書留で送ります。辞退とあれば持っていかない、中袋に住所を書く。この2つだけは外さないでください。
これから施主になる方で、葬儀の段取りから見直したい方は葬儀サービスの比較も参考にしてください。亡くなってから続く手続きの全体は身内が亡くなったらすることリストで順番を確かめられます。
四十九日、一周忌と施主を続けてみて、法要は残された側が時間を数える日でもあるのだと思うようになりました。正解だったかは、今もよく分かりません。










