家族葬とは、家族とごく親しい人だけに声をかけて行うお葬式のことです。通夜・告別式・火葬という流れは一般葬と同じで、違うのは呼ぶ人の範囲で、人数や範囲に決まりはありません。
2026年の全国調査では、直近2年以内の喪主の47.0%が家族葬を選び、総額の平均は96.39万円でした。いまいちばん多い葬儀の形です。
私は母を、小さなお葬式の定額プランで家族葬に近い形で送りました。この記事では意味と費用に加えて、いちばん揉めやすい「誰を呼ぶか」を、喪主をやった側から書きます。
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けんじ「家族葬にしよう」と決めたあとに、誰に声をかけるかで手が止まる人は多いです。その順番で書いていきます。
家族葬とは?一般葬・一日葬・直葬との違い


家族葬の意味


家族葬は、家族や親族、故人と特に親しかった友人など、遺族が声をかけた人だけで行う葬儀です。法律や業界で決まった定義はなく、「家族」をどこまでとするかは家ごとに違います。
似た言葉の「密葬」は、身内だけで先に葬儀をして、後日あらためて本葬やお別れ会を開く形です。家族葬はそれ1回で終わるのが違いです。
4つの形式の違い


| 形式 | 通夜 | 告別式 | 呼ぶ人 | 総額の平均 |
|---|---|---|---|---|
| 一般葬 | あり | あり | 友人・仕事関係・近所まで | 122.01万円 |
| 家族葬 | あり | あり | 家族と親しい人 | 96.39万円 |
| 一日葬 | なし | あり | 家族と親しい人 | 74.43万円 |
| 直葬・火葬式 | なし | なし | ごく近い家族 | 49.56万円 |
※総額の平均は、鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」より。直近2年以内に喪主を経験した40歳以上の2,000人への調査です。
家族葬は、通夜と告別式を2日かけてやる点では一般葬と同じです。1日で終えたいなら一日葬、式をせず火葬だけなら直葬、と覚えると整理しやすいです。
人数の目安


人数の決まりはありませんが、数人から30人ほどまでを家族葬と呼ぶことが多いです。親族が多い家だと、身内だけで30人を超えることもあります。
人数より大事なのは、「誰に声をかけて、誰にはかけないか」を家族で決めてあることです。ここは後の章で詳しく書きます。
家族葬の費用はいくらかかる?


総額の平均


2026年の調査では、家族葬の総額の平均は96.39万円でした。葬儀社に払う基本料金に、飲食、返礼品、火葬料などが乗った金額です。
お布施は葬儀社の見積もりに載らないので、別に考えておく必要があります。宗派や地域で差が大きいので、目安は葬儀費用の相場と内訳とあわせて見てください。
香典が減るぶんの持ち出し


家族葬は総額は下がりますが、参列者が少ないぶん香典も減ります。「家族葬だから手元の出費が大きく減る」とは限りません。
香典を辞退すれば、持ち出しはそのまま総額に近くなります。辞退するかどうかは、費用の面からも先に決めておくと見通しが立ちます。
ちなみに私の家は、葬儀費用を弟と折半しました。兄弟で出すなら、見積書と領収書をそのまま共有しておくと、あとでお金の話がこじれにくいです。
定額プランの注意点


- 火葬料が別のことがある
- 安置の日数に上限がある
- 料理・返礼品は人数で増える
- お布施は入っていない
私は母のとき、火葬料が別かどうか、何を足すと増えるかを打ち合わせで確かめてから決めました。そのおかげか、支払いは見積もりのとおりで、追加の請求はありませんでした。
あとで戻るお金


葬儀のあとに申請すると受け取れるお金があります。亡くなった人が国民健康保険や後期高齢者医療なら「葬祭費」、会社の健康保険なら「埋葬料」です。
協会けんぽの埋葬料は5万円、葬祭費の金額は自治体ごとに違います。私は市役所で死亡後の手続きをしたとき、窓口で葬祭費のことを教わり、その場で申請しました。
家族葬で誰を呼ぶか|範囲の決め方


家族葬でいちばん揉めるのは、費用ではなく呼ぶ範囲です。ここがあいまいなまま連絡を始めると、「あの人に言ったならこの人にも」と、どこまでも広がります。
線の引き方


- 配偶者・子・孫
- 故人の兄弟姉妹
- おじ・おば・いとこ
- 特に親しかった友人
近い順に並べて、どこで線を引くかを家族で決めます。決めた範囲は紙に書いて、連絡する人の名前まで並べておくと、あとから迷いません。
迷う人は、「故人が生きていたら会いたがったか」で決めるのがいちばん角が立ちにくいと思います。故人の兄弟姉妹は、範囲に入れておくほうが無難です。
呼ばない人への連絡


呼ばない人には、葬儀のあとに「家族葬で見送りました」と伝えるのが一般的です。はがきでも電話でもかまいません。
葬儀の前に訃報を伝える場合は、「葬儀は近親者のみで執り行います」「参列はご遠慮ください」と一文をはっきり入れます。ぼかすと、来ていいのか相手が迷います。
勤務先には、忌引きの連絡のついでに家族葬であることと、香典・供花を辞退するかどうかを伝えておくと、会社側も動きやすくなります。
香典・供花を辞退するか


辞退するなら、案内に「御香典・御供花の儀は固くご辞退申し上げます」のようにはっきり書きます。書いていないと、参列できなかった人が後から気をつかいます。
受け取る場合は、四十九日のあとに香典返しが続きます。お返しの目安と法要のマナーは法要の香典マナーをまとめた記事に書きました。
あとから来る弔問


家族葬のあと、訃報を知った人が自宅へお参りに来ることがあります。当日が静かなぶん、弔問は葬儀のあとに少しずつ続くと思っておくと慌てません。
親の家が遠くて対応しきれないなら、「落ち着いたらこちらから連絡します」と伝えて日を改めてもらってかまいません。



呼ぶ範囲は、決めた人が責められやすいところです。家族みんなで決めた形にしておくと、喪主ひとりが矢面に立たずに済みます。
家族葬の流れ


| 時期 | 主にやること |
|---|---|
| 亡くなった当日 | 搬送・安置・葬儀社を決める |
| 翌日 | 打ち合わせ・呼ぶ人へ連絡・通夜 |
| 2〜3日目 | 告別式・火葬 |
| 葬儀のあと | 呼ばなかった人へ連絡・弔問対応 |
火葬場の空きしだいで日程は延びます。家族葬で大事なのは、打ち合わせまでに呼ぶ範囲を固めておくことです。料理と返礼品の数がそこで決まるからです。
亡くなった直後からの動きは葬儀の流れに時系列でまとめています。
家族葬が向く家・向かない家


向いている家


- 故人が高齢で交友が少ない
- 身内で静かに送りたい
- 喪主が遠方で準備が難しい
私の母は長く地方で一人暮らしをしていて、私は片道4時間離れた場所に住んでいました。大勢を迎える準備は現実的ではなく、家族葬に近い形が合っていたと思います。
向かない家


故人の友人や仕事関係が多く、「お別れしたい人がたくさんいる」家は、あとから弔問が続いて遺族が疲れてしまうことがあります。一般葬のほうが一度で済む場合もあります。
菩提寺がある家は、家族葬や一日葬にする前に一度相談しておくと安心です。
逆に、家族葬でもまだ大きいと感じるなら、火葬だけの形もあります。お別れの時間がほとんど取れない点を直葬・火葬式の中身と注意点で確かめてから比べてください。
家族葬の葬儀社の選び方


調査では、喪主の63.8%が「葬儀の事前準備をしていなかった」と答えています。亡くなってから1社目に即決すると、比べる材料がないまま決めることになります。
元気なうちに資料請求


私は母が存命のうちに、小さなお葬式とよりそうお葬式の資料を取り寄せていました。先にプランと相場を見ていたので、当日に金額で慌てずに済みました。
親が生きているうちに葬儀の資料を取るのは、後ろめたいものです。でも資料請求は無料で、取り寄せても契約する義務はありません。
危篤なら相見積もり


母が危篤になった夜は、相見積もりの窓口に電話して3社の金額を並べました。
最後に施行を頼んだのは定額の小さなお葬式ですが、相場が分かっただけで落ち着けました。そのときの話はあの夜に私が使った窓口の話に書いています。
定額プランの良かった点と気になった点は小さなお葬式を使った私のレビューに、もう1社の中身はよりそうお葬式の資料を比べた記事にまとめました。
家族葬のプランを手元で比べておきたい方は、資料請求が無料の「よりそうお葬式」から取り寄せておくと、比べる相手ができます。
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家族葬に関するよくある質問


- Q家族葬とは何人くらいの葬儀ですか?
- A
決まりはありませんが、数人から30人ほどまでを家族葬と呼ぶことが多いです。人数より、誰に声をかけるかを家族で決めておくことが大切です。
- Q家族葬の費用の平均はいくらですか?
- A
鎌倉新書の2026年の調査では、家族葬の総額の平均は96.39万円です。お布施は別になることが多いので、見積もりとは分けて考えてください。
- Q家族葬と密葬は何が違いますか?
- A
密葬は身内だけで先に葬儀をし、後日に本葬やお別れ会を開く形です。家族葬はそれ1回で終わります。
- Q家族葬と一日葬はどう違いますか?
- A
家族葬は呼ぶ範囲の話で、通夜と告別式を2日で行うのが基本です。一日葬は通夜をせず、告別式と火葬を1日で済ませる形です。
- Q呼ばなかった人にはどう伝えればいいですか?
- A
葬儀のあとに、はがきや電話で「家族葬で見送りました」と伝えるのが一般的です。前に伝えるなら、参列を遠慮してほしい旨をはっきり書きます。
- Q家族葬で香典は辞退したほうがいいですか?
- A
どちらでもかまいません。辞退するなら案内に明記し、受け取るなら四十九日のあとの香典返しまで見込んでおきます。
- Q家族葬に呼ばれたときの服装や香典は?
- A
服装や香典の作法は一般葬と同じで、指定がなければ喪服で伺います。香典辞退の案内があれば持っていかないのが礼儀です。
- Q葬儀のあとにもらえるお金はありますか?
- A
国民健康保険や後期高齢者医療なら葬祭費、会社の健康保険なら埋葬料を申請できます。協会けんぽの埋葬料は5万円で、葬祭費は自治体で金額が違います。
- Q家族葬の葬儀社はどう選べばいいですか?
- A
プランに何が含まれ、何が別料金かを比べるのが第一です。時間があるうちに2〜3社の資料を取り寄せ、急ぐときは相見積もりの窓口を使うと比べる材料ができます。
まとめ:家族葬とは呼ぶ範囲を絞ったお葬式


家族葬とは、家族とごく親しい人だけで行うお葬式です。流れは一般葬と同じで、総額の平均は96.39万円です。
香典が減るぶん、持ち出しは思ったほど下がらないこともあります。
いちばん大事なのは、呼ぶ範囲を家族で決めて紙に書いておくこと。香典を辞退するか、呼ばなかった人にどう伝えるかまで決めておけば、葬儀のあとも落ち着いて過ごせます。
葬儀社を比べたい方は葬儀サービスの比較もあわせてどうぞ。
母を家族葬に近い形で送って、あれでよかったのかと考えることは今もあります。ただ、静かに送りたいという気持ちだけは、最後まで変わりませんでした。










