結論から言うと、介護が始まっても介護離職はできるだけ避けたほうがいいです。辞める前に、介護休業や介護休暇、地域包括支援センターへの相談、そして施設も選択肢に入れる。この順で考えてみてください。
「介護離職 両立」と検索してここに来た方は、親の介護が急に始まって、このまま仕事を続けられるのか不安になっている入口にいると思います。私もそうでした。
私は母を、片道4時間かけて3年間介護しました。仕事を抜けて駆けつけ、有給がどんどん減る罪悪感も味わいました。その経験から、辞めずに乗り切る方法と使える制度を、きれいごと抜きで書きます。
- 介護離職は収入も再就職も失うので原則避ける
- 介護休業は対象家族1人につき通算93日まで取れる
- 介護休暇は年5日(対象2人以上は年10日)使える
- まず地域包括支援センターと会社に早めに相談
- 一人で背負わず、限界の前に施設も選択肢に
けんじ辞めるのは、いつでもできます。でもその前に使えるものを全部使ってほしいんです。順番に話していきますね。
介護離職が危ない理由(私の実感)


制度の話の前に、なぜ「辞めない」をここまで推すのか。私が3年やってきた中で感じたことを正直に書きます。肌感が分かると、このあとの制度の話が入ってきやすいと思うので。
収入が途切れる怖さ


介護はお金がかかります。施設、通院、私の場合は片道4時間の交通費も。そこへ自分の収入が止まったら、介護そのものが続けられなくなる。これがいちばん怖いところです。
親の年金や貯金だけで足りればいいんですが、足りないとき、頼りになるのは結局こちらの収入です。辞めた瞬間、介護にかけられるお金の上限が一気に下がります。介護の費用がどのくらいかは親の介護費用の目安でまとめています。
再就職の壁は高い


「介護が落ち着いたらまた働けばいい」。私も最初はそう思っていました。でも介護はいつ終わるか分からないし、ブランクが空くほど元の条件で戻るのは難しくなります。
とくに50代で一度辞めると、同じ給料の仕事に戻れる保証はどこにもありません。見送ったあと、自分の生活が立ち行かなくなる。これは想像以上に重い問題です。
仕事も心の逃げ場


意外かもしれませんが、仕事は介護からの逃げ場でもあります。職場にいる時間は、介護のことを一旦忘れられる。私はあの時間に、何度も救われていました。
介護一色になると、気持ちも体も逃げ場がなくなって共倒れになりやすい。親と自分が両方とも倒れたら、元も子もないんですよね。だから仕事は、できれば手放さないほうがいいと私は思っています。
辞めずに続けるための制度


ここからが本題です。仕事と介護を両立するために、国が用意してくれている制度があります。知らないと損する話なので、一つずつ見ていきましょう。
介護休業で長く休む


介護休業は、介護のためにまとまって休める制度です。対象家族1人につき、通算93日まで、3回まで分割して取れます。施設探しや態勢づくりなど、最初の山場に使う人が多いです。
休業中は、一定の要件を満たせば介護休業給付金を受け取れる場合があります。要件は人や会社によって変わるので、勤務先やハローワークの窓口に確認してください。
介護休暇で短く休む


介護休暇は、通院の付き添いや手続きなど、1日単位や時間単位で休みたいときの制度です。年5日まで、対象家族が2人以上なら年10日まで取れます。
「半日だけ役所に行きたい」みたいな細かい用事に効きます。介護休業がまとまった休み、介護休暇がこまめな休み、と覚えておくと分かりやすいです。使い方は会社の窓口で確認しておくと安心です。
| 制度 | 日数の目安 |
|---|---|
| 介護休業 | 通算93日・3回まで |
| 介護休暇 | 年5日(2人以上10日) |
勤務時間の配慮も頼む


休むだけでなく、働き方そのものを調整する制度もあります。時短勤務やフレックス、時間外労働の制限など、会社が選んで用意している仕組みです。
「毎日デイサービスの送り出しがある」なら時差出勤、という具合に組み合わせると、辞めずに回せる幅がぐっと広がります。どんな制度があるかは会社ごとに違うので、人事や上司に早めに聞いてみてください。
両立で抱え込まない注意点


最後に、続けるために本当に大事なことを書きます。制度を整えても、自分が潰れたら全部止まります。ここはどうか読み飛ばさないでほしいところです。
- 一人で背負わない:きょうだいや専門職と分担する
- 会社には早めに相談する:言いづらくても先に伝える
- 地域包括支援センターをまず頼る
- 限界が来る前に施設も選択肢に入れる
- 自分の心と体の不調を後回しにしない
とくに会社への相談は、言いづらくて後回しにしがちです。でも黙って一人で抱えて、急に休んだり辞めたりするほうが、職場には迷惑がかかります。早く言うほど、使える制度も配慮も引き出せます。
遠距離での介護なら、進め方を遠距離介護の備え方に、施設を考えるなら介護施設探しのおすすめサービスにまとめています。限界が来てから探すと選ぶ余裕がないので、情報だけ先に持っておくと落ち着けます。



がんばる人ほど自分を後回しにします。頼れるものは全部頼っていい。それで親不孝にはなりませんよ。
よくある質問


- Q介護のために仕事は辞めるべきですか?
- A
できるだけ避けたほうがいいです。収入が途切れると介護費用も見送ったあとの生活も苦しくなり、再就職も簡単ではありません。まずは介護休業や介護休暇、勤務時間の配慮を組み合わせ、辞めずに回す方法を探しましょう。
- Q介護休業は何日くらい取れますか?
- A
対象家族1人につき、通算93日まで、3回に分けて取得できます。施設探しや態勢づくりなど最初の山場に使う人が多いです。取得の手順は勤務先や公的窓口で確認しておくと安心です。
- Q介護休業給付金はもらえますか?
- A
一定の要件を満たせば受け取れる場合があります。雇用保険の加入状況などで変わるため、もらえるかどうかと金額は、勤務先やハローワークの窓口で確認してください。当てにする前に必ず裏取りを。
- Q介護休暇と介護休業はどう違いますか?
- A
介護休暇は通院の付き添いなど短い用事に使う制度で、年5日(対象2人以上なら年10日)です。介護休業はまとまって休む制度で通算93日まで。こまめな休みと長い休み、と覚えると分かりやすいです。
- Q会社に介護のことを言いづらいです
- A
気持ちは分かります。でも黙って急に休んだり辞めたりするほうが、職場には迷惑です。早く伝えるほど制度や配慮を引き出せます。まず信頼できる上司や人事に一言、状況を共有するところから始めましょう。
- Qまず最初にどこへ相談すればいい?
- A
親が住む地域の地域包括支援センターです。相談は無料で、何から動けばいいか地元の事情も含めて教えてくれます。介護保険の申請やケアマネ探しもここからつながります。仕事の制度は会社の窓口と分けて相談を。
- Qきょうだいと負担をどう分ければ?
- A
近くに住む人が動く、遠い人がお金を多めに出すなど、役割で分けると揉めにくいです。大事なのは早めに話し合うこと。あとから不満が出ると、相続の場面まで尾を引くことがあります。
- Q一度辞めると再就職は難しい?
- A
ブランクが空くほど元の条件で戻るのは難しくなります。とくに年齢が上がると同じ給料の仕事に戻れる保証はありません。だからこそ、辞める前に制度や時短で続けられないかを先に試してほしいです。
- Q両立がもう限界に来たらどうすれば?
- A
自分の心身が削られているなら、在宅にこだわらず施設も選択肢に入れてください。限界が来てから探すと選ぶ余裕がないので、その前から情報だけ持っておくと落ち着いて判断できます。ケアマネにも早めに相談を。
- Q介護にかかるお金はどのくらい?
- A
在宅か施設か、要介護度や地域によって大きく変わります。遠距離なら交通費も上乗せされます。親の年金や預貯金で賄えるかを早めに把握し、できれば親本人とお金の話をしておくと安心です。目安は費用の記事にまとめています。
まとめ:介護離職は最後の手段に


介護が始まっても、いきなり辞める必要はありません。介護休業や介護休暇、勤務時間の配慮を組み合わせ、地域包括支援センターと会社に早めに相談する。これで辞めずに回せる幅は広がります。
そして、くり返しになりますが一人で抱え込まないこと。きょうだい、専門職、使える制度、施設。頼れるものは全部頼っていいんです。辞めるのは、それでも無理なときの最後の手段でいい。



私は3年やって、それでも後悔が残りました。でも仕事だけは手放さなかった。あのとき辞めていたら、たぶん私のほうが先に潰れていたと思います。
遠距離での進め方は遠距離介護の備え方、費用の目安は親の介護費用の目安、施設を考えるなら介護施設探しのおすすめサービスもあわせて読んでみてください。











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